目次と登場人物~飛輪海小説スピンオフ『Kiss Me Now!』

 

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飛輪海小説『ステップアップ!』
スピンオフ
『Kiss Me Now!』 

構想期間:2011年3月~

執筆期間:2011年4月8日~

連載期間:2011年9月16日~

設定期間:2011年11月10日~12月下旬

cloverあらすじclover

2011年11月。呉尊とヒロの結婚で傷心の禹哲。

禹哲の悪口雑言に耐え忍ぶマネージャーのジニー。

今度は莉莉の父親問題に頭を悩ます亞綸。

クリスマスに結婚を控えた大東と櫻雪。

ブルネイで新婚生活をスタートさせた呉尊とヒロ。

落ち着きを取り戻しながらも新婚気分の亦儒と阿明。

愛のないキスからでも恋愛は始まる!?

“恋愛禁止”の禹哲とジニーが繰り広げる、キス&ラブワールド♪

clover登場人物clover

禹哲:ユージャ(27)唐禹哲。新人アーティスト。失恋傷心中。

ジニー,鶏女:ジィニュイ(26) 蘇季妮。禹哲のマネージャー。

小綜:シャオツォン(29) 鄭元暢。穏やかで大人な事務所の先輩。

エディ(29)彭于晏。明るくお調子者の事務所の先輩。


亞綸:ヤールン(25)炎亞綸。人気アーティスト、俳優。莉莉と交際中。

莉莉:リーリー(24)黄莉莉。新人シンガーソングライター。禹哲の妹分。亞綸と交際中。

大東:ダートン(30)汪東城。人気アーティスト、俳優。櫻雪と結婚目前。

櫻雪:ユンシュエ(34)唐櫻雪。禹哲の実姉。翻訳家。大東と婚約中。一児の母。

ヒロ(29)桐村裕恵。人気スタイリストHIRO。呉尊とブルネイで新生活スタート。

呉尊:ウーズン(32)呉吉尊。人気俳優。ヒロとついに結婚。

亦儒:イールー(31)陳奕儒。会社役員。阿明と結婚4年目。二児の父。


阿明:アミン(30)呉香明。人気作家の明日香。亦儒の愛妻で二児の母。亞綸の姉。


何監督:ホー(39)何潤東。映画監督。莉莉の父親疑惑あり。


ディラン(34)郭品超。人気俳優。大東の筋トレ仲間。


偉偉:ウェイウェイ(7)馬俊偉。櫻雪の息子。

裕惠:ユーフイ(2)陳裕惠。亦儒と阿明の愛娘。

凌晨:リンチェン(0)陳凌晨。亦儒と阿明の生まれたばかりの息子。

ウィルバー(31)潘瑋柏。BaTの新店長。歌って踊れるヒップホップ料理人(中華)。

:シャン(27)高以翔。BaTのイタリアン担当。

ギャビー(34)李鈞天。元パパラッチの人気カメラマン。

黑人:ヘイレン(34)陳建州。櫻雪の初恋。タレント。

范范:ファンファン(35)范瑋琪。黑人の愛妻。シンガーソングライター。

志玲:チーリン(38)林志玲。人気女優。HIROとの専属契約第一号。

阿蘭:アラン(享年24)黄如蘭。莉莉の亡くなった母親。

*この小説はフィクションです。実在の人物とは関係ありません。下の画像は登場人物のイメージの参考にしてください。

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clover目 次clover

飛輪海小説スピンオフ『Kiss Me Now !』Ep.1「フェイクKISS」(9月16日)

飛輪海小説スピンオフ『Kiss Me Now !』Ep.2「身代わりKISS」(9月24日)

飛輪海小説スピンオフ『Kiss Me Now !』Ep.3「マンゴーKISS」(10月3日)

呉尊 生日快樂♪(10月10日)

飛輪海小説スピンオフ『Kiss Me Now !』Ep.4「リアルKISS」(10月13日)

飛輪海小説スピンオフ『Kiss Me Now !』Ep.5「ヤキモチKISS」(10月22日)

飛輪海小説スピンオフ『Kiss Me Now !』Ep.6「ソルティKISS」(10月30日)

飛輪海小説スピンオフ『Kiss Me Now !』Ep.7「KISS LESS」(11月05日)

亦儒 生日快樂♪(11月10日)

飛輪海小説スピンオフ『Kiss Me Now !』Ep.8「投げKISS」(11月13日)

亞綸 生日快樂♪ (11月20日Up!)

飛輪海小説スピンオフ『Kiss Me Now !』Ep.9「ドラマティックKISS」(11月21日)

飛輪海小説スピンオフ『Kiss Me Now !』Ep.Final「Kiss Me Now !」new(12月08日Up!)

*お願い*~改訂版~  
 このお話に出てくる、人物名・地名・団体名などは、フィクションも混ざっています。

 私ミンクロは、相変わらず台湾には行ったことがございません。なるべくリサーチはしていますが、文化、慣習など、熟知しておりませんので、台湾の常識ではありえない状況があるかもしれません。

 台湾アイドル「飛輪海」や唐禹哲などをモデルにさせてもらっていますが、このお話の中の彼らの言動、性格、設定、家族構成、人間関係、その他ほとんどが想像と創造と妄想でできております。

 だから亞綸の“血の繋がらない姉”は実在しませんし、本当のご両親は初婚だと思われます。
 唐禹哲はお父さんは事故死されたようですが、お母さんはお元気だし、もちろん唐禹哲は施設育ちでもありません。
 ジョセフは小説の中で2011年12月に兵役に就く内容になっていますが、これもフィクションです。“兵役に早く就くべきだ”とミンクロが思っているわけでもありません。
 その他もろもろ、事実と異なる面が多々あることをご了承ください。

 ファンの方で、もし不快に思われる方がいらっしゃったら、本当にすみません。

 また、思いついたストーリーを勢いだけで書いている為、文章的におかしなところ、稚拙な表現などがあることをお許しください。

 なお、当ブログ内のすべてにおいて、転載を禁止します。

 作品はミンクロことアサギミントに著作権があります。

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目次と登場人物~飛輪海小説『ステップアップ!』SP

飛輪海小説『ステップアップ!』を始めから読んだことのない方はコチラからどうぞhappy01

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飛輪海小説第3弾『ステップアップ!』SP

構想期間:2010年8月~2011年3月

執筆期間:2010年9月3日~3月27日

連載期間:2011年3月1日~3月28日

設定期間:2011年11月9日~10日

cloverあらすじclover

時は飛輪海解散コンサートから2年後の2011年11月。

呉尊とヒロの婚約解消から3年が経ち、

ついに復縁した二人の結婚式を迎えようとしていた。

夫婦間に新たなさざ波の立った亦儒と阿明。

結婚式を翌月のクリスマスに控えた大東と櫻雪。

新ユニットで順調に人気が出だした亞綸と莉莉。

4人が織り成す、それぞれの愛の形の最終章。

clover登場人物clover

呉尊:ウーズン(32) 人気俳優。ヒロとの挙式直前。

亦儒:イールー(30) 陳奕儒。芸能界引退後実業家に。阿明と結婚4年目。

大東:ダートン(30) 汪東城。映画俳優として成功。櫻雪と婚約中。

亞綸:ヤールン(25) 炎亞綸。莉莉と新ユニットで売り出し中。

ヒロ(29) 桐村裕恵。日本人トップスタイリスト。呉尊と挙式直前。

阿明:アミン(29) 呉香明。人気作家の明日香:ミンリーシャン。亦儒夫人。

櫻雪:ユンシュエ(33) 唐櫻雪。受付嬢。大東と婚約中。

莉莉:リーリー(24) 黄莉莉。保育士であり、シンガーソングライター。亞綸と交際中。

偉偉:ウェイウェイ(7) 馬俊偉。櫻雪の愛息。大東のファン。

裕惠:ユーフイ(2) 陳裕惠。亦儒と阿明の愛娘。

凌晨:リンチェン(0) 陳凌晨。亦儒と阿明の生まれたばかりの息子。

ギャビー(34) 李鈞天。元パパラッチの人気カメラマン。 

何監督:ホー(39) 何潤東。明日香原作で大東主演映画の監督。

黑人:ヘイレン(34)陳建州。櫻雪の初恋。タレント。

范范:ファンファン(35)范瑋琪。黑人の愛妻。シンガーソングライター。

Makiyo(28)川島茉樹代。日本人タレント。ヒロの飲み友達。

志玲:チーリン(38)林志玲。人気女優。ヒロとの専属契約第一号。

禹哲:ユージャ(26)唐禹哲。櫻雪の実弟。新人アーティスト。BaTのオーナー。

ウィルバー(31)潘瑋柏。BaTの新店長。歌って踊れるヒップホップ料理人(中華)。

翔:シャン(27)高以翔。BaTのイタリアンとフレンチのシェフ。

*この小説はフィクションです。実在の人物とは関係ありません。下の画像は登場人物のイメージの参考にしてください。

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clover目 次clover

飛輪海小説『ステップアップ!』SP~第一章「光と影」(3月1日)

飛輪海小説『ステップアップ!』SP~第二章「秘密と真実」(3月7日)

飛輪海小説『ステップアップ!』SP~第三章「過去と未来」(3月16日)

范范 生日快樂!(3月18日)

飛輪海小説『ステップアップ!』SP~最終章「誓いの言葉」(3月28日)

SPあとがき(3月30日)

黑人生日快樂♪(5月2日)

祝福♪黑人&范范(5月7日)

大東 生日快樂♪ そして予告♪(8月24日)

*お願い* 
 このお話に出てくる、人物名・地名・団体名などは、すべてフィクションです。

 私ミンクロは、相変わらず台湾には行ったことがございません。なるべくリサーチはしていますが、文化、慣習など、熟知しておりませんので、台湾の常識ではありえない状況があるかもしれません。

 台湾アイドル「飛輪海」などをモデルにさせてもらっていますが、このお話の中の彼らの言動、性格、設定、家族構成、人間関係、その他すべてが想像と創造と妄想でできております。

 ファンの方で、もし不快に思われる方がいらっしゃったら、本当にすみません。

 また、思いついたストーリーを勢いだけで書いている為、文章的におかしなところ、稚拙な表現などがあることをお許しください。

 なお、当ブログ内のすべてにおいて、転載を禁止します。

 作品はミンクロことアサギミントに著作権があります。

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目次と登場人物~ヒロ&アミン篇

飛輪海小説第1弾『ステップアップ!』ヒロ&アミン篇

構想期間:2009年4月~10月

執筆期間:2009年5月23日~10月

連載期間:2009年6月23日~10月17日

設定期間:2008年8月初旬~2011年9月3日          

★あらすじ★
 スタイリストのヒロは、飛輪海の呉尊と結婚を前提に同棲を始めて三ヶ月。  結婚後は家庭に入ることを呉尊と約束しているものの、スタイリストの仕事に未練が・・・。  そんな時に、二年前に別れたF4の言承旭と偶然再会し・・・。
 一方、炎亞綸の義理の姉で小説家のアミンは辰亦儒と婚約中。  結婚後も仕事を続けるつもりだが、スランプ中。  半年ほど疎遠になっていたケンカ友達の汪東城と、エレベーターに閉じ込められるアクシデントをきっかけに、二人は急接近する。 
       

★登場人物★

 ヒロ(25)桐村裕恵。呉尊と同棲中。日本人スタイリスト。

 アミン(26)呉香明。阿明(アミン)。亞綸の姉。亦儒と婚約中。小説家。

 呉尊(28)ヒロと付き合い始めてすぐにプロポーズ。

 大東(26)汪東城。アミンのケンカ友達。

 亦儒(27)辰亦儒。アミンの婚約者。本名・陳奕儒。

 亞綸(22)炎亞綸。アミンの血のつながらない弟。本名・呉庚霖

 阿旭(31)言承旭。ヒロの元カレ。

 志玲(34)林志玲。人気モデル。

 Makiyo(24)川島茉樹代。日本人タレント。

  ヴァネス(30)呉建豪。ペンション手伝い。アミンの初恋の人。

 
*下の画像はイメージです。 小説内の人物の参考にしてください。 クリックで拡大します(*^_^*)

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★目次★

第一話 「呉尊と朝食、ハプニング」~ヒロ篇(2009年6月23日)  

第二話 「亞綸とわたし、そして亦儒」~アミン篇  

第三話 「阿旭との再会」~ヒロ篇  

第四話 「大東とサラダ」~アミン篇

第五話 「呉尊の告白」~ヒロ篇 

第六話 「大東との思い出、亦儒の助言」~アミン篇  

第七話 「亞綸の疑い、阿旭とあの場所で」~ヒロ篇 

第八話 「エレベーターで大東と」~アミン篇  

第九話  「呉尊のディナー」~ヒロ篇 

第十話 「アミンの覚醒」~アミン篇・・・加筆しました(7月17日)

第十一話「呉尊の恋、亞綸との約束」~ヒロ篇

第十二話「大東のお母さん」~アミン篇

第十三話「パーティーで阿旭と」~ヒロ篇

第十四話「大東との新しい絆」~アミン篇・・・改訂しました(8月7日)

第十五話「呉尊、愛してる。亦儒の苛立ち」~ヒロ篇

第十六話「大東の献身、亦儒の嫉妬」~アミン篇

第十七話「暗闇の中で・・・呉尊の沈黙、ヴァネスとの再会」~リンク篇

第十八話「ヒロの迷い、亞綸の心配」~ヒロ篇

第十九話「ヴァネスのプロポーズ、日月潭の花火」~アミン篇

第二十話「亞綸の孤独」~ヒロ篇

第二十一話「亦儒と別荘で・・・」~アミン篇

第二十二話「太陽と月、亦儒とアミン」~アミン篇

第二十三話「披露パーティーのサプライズ」~ヒロ篇 

第二十四話「最後のキス」~ヒロ篇

第二十五話「珈琲の香り、月夜の夢」~ヒロ篇

第二十六話「私たちの三年間」~リンク篇

最終話「幸せのリベンジ」~ヒロ篇(2009年10月17日)

『ステップアップ!』あとがき

『ステップアップ!』あとがき2~登場人物

『ステップアップ!』あとがき3~大東

『ステップアップ!』あとがき4~亞綸

『ステップアップ!』あとがき5~ヴァネス

『ステップアップ!』あとがき6~亦儒

『ステップアップ!』あとがき7~阿旭(11月16日追記)

『ステップアップ!』あとがき8~呉尊

『ステップアップ!』あとがき9~脇役

『ステップアップ!』あとがき10~ヒロ&アミン

『ステップアップ!』あとがき11~月

『ステップアップ!』東綸篇~予告

あけましておめでとうございます

改名宣言? ミンクロです!

ショートストーリー『海でのはなし、』


*お願い*
 このお話に出てくる、人物名・地名・団体名などは、すべてフィクションです。

 私ミンクロは台湾には一度も行ったことがございません。よって現

実ではありえない状況があるかもしれません。

 台湾アイドル「飛輪海」などをモデルにさせてもらっていますが、このお話の中の彼らの言動、性格、設定、家族構成、人間関係、その他すべてが事実と異なります。(特に大東が都合上ツンデレっぽいキャラになってます)

 ファンの方で、もし不快に思われる方がいらっしゃったら、本当にすみません。

 また、思いついたストーリーを勢いだけで書いている為、文章的におかしなところ、 稚拙な表現などがあることをお許しください。

 なお、当ブログ内のすべてにおいて、転載を禁止します。

 作品はミントに著作権があります。

 

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目次と登場人物~大東&亞綸篇

飛輪海小説『ステップアップ!』ヒロ&アミン篇を読んだことのない初めての方はコチラからどうぞhappy01

              

飛輪海小説第2弾『ステップアップ!』大東&亞綸篇 

構想期間2009年10月~

執筆期間2009年11月28日~

連載期間2010年1月22日~9月6日

設定期間2010年12月初旬~2011年3月20日fullmoon

clover あらすじ clover

亦儒と阿明(アミン)のサプライズ結婚から二年が過ぎた冬。

大東と亞綸はいまだ彼女ナシ。

そんな二人の前に現れた受付嬢の櫻雪(ユンシュエ)と保育士の莉莉(リーリー)。

大東は櫻雪の香水に惹かれて以来、彼女のことが気になる存在に。

亞綸は強引な莉莉にとまどいながらも彼女の歌声に魅せられて・・・。

一方、円満だと思われていた亦儒と阿明に夫婦の危機が訪れ、

仕事一筋の生活を送っていたヒロには新しい出会いが・・・。

そしてヒロを見守り続ける呉尊にも、恋のチャンスが訪れる!?

それぞれが恋愛に仕事に、さらにステップアップしていきます! 

clover 登場人物 clover

大東:ダートン(29) 汪東城。人気俳優、シンガー。

亞綸:ヤールン(25) 炎亞綸。人気俳優、シンガー。

櫻雪:ユンシュエ(?) 唐櫻雪。受付嬢。

莉莉:リーリー(23) 黄莉莉。保育士。シンガーソングライター志望。

呉尊:ウーズン(31) 人気俳優。日本でブレイク中。一年の半分はブルネイですごす。

亦儒:イールー(30) 陳奕儒。芸能界引退後実業家に。愛妻家で愛娘を溺愛。

禹哲:ユージャ(26) 唐禹哲。バーテンダー。シンガー志望。

偉偉:ウェイウェイ(6) 馬俊偉。大東ファン。託児所から度々脱走。

阿明:アミン(29) 呉香明。人気作家の明日香:ミンリーシャン。亦儒夫人。

ヒロ(28) 桐村裕恵。日本人トップスタイリスト。呉尊の元婚約者。裕惠を溺愛。

裕惠:ユーフイ(1) 陳裕惠。亦儒と阿明の一人娘。

傳一:チュアンイー(33) 馬傳一。銀行副頭取。

黑人:ヘイレン(33) 陳建州。人気タレント。ヒロの飲み友達。范范と婚約中。

范范:ファンファン(34) 范瑋琪。人気シンガー。チャリティー活動に熱心。

ヴァネス:(33) 呉建豪。日月潭でペンション経営。阿明の初恋の相手。

周渝民:チョウ・ユウミン(29) 陶芸家。鎌倉で修行中。

阿旭:アシイ(34) 言承旭。ヒロの元カレ。

家萱:ジアシュエン(26) 任家萱。ソプラノ歌手。院長の娘。亞綸のファン。

Makiyo(27)川島茉樹代。日本人タレント。ヒロの飲み友達。

*この小説はフィクションです。実在の人物とは関係ありません。下の画像は登場人物のイメージの参考にしてください。

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clover 目 次 clover

第1話「二人の恋愛観」~東綸篇(2010年1月22日)

第2話「櫻雪の香り」~大東篇(1月27日)

第3話「天使か悪魔か」~亞綸篇(2月2日)

第4話「偉偉の笑顔、櫻雪の涙」~大東篇(2月8日)

第5話「疑惑の亦儒」~東綸篇(2月13日)

第6話「天国と地獄」~大東篇(2月19日)

第7話「櫻雪と呉尊、大東の矛盾」~東雪篇(2月25日)

第8話「偉偉の功名」~東雪篇(3月1日)

第9話「月夜のミステイク」~大東篇(3月5日)

10話「聖夜のプロローグ」~東綸篇(3月9日)

第11話「聖夜のモノローグ」~東雪篇(3月13日)

第12話「聖夜の奇跡」~東綸篇(3月17日)

第13話「聖夜の悪夢」~東綸篇(3月21日)

第14話「聖夜のエピローグ」~東雪篇(3月26日)

第15話「聖夜の忘れ物」~裕綸篇(3月31日)

第16話「出口なき迷宮」~亞綸篇(4月5日)

第17話「嫉妬の行方」~裕綸篇(4月10日)

第18話「秘密の花園」~亞綸篇(4月15日)

第19話「大東と禹哲」~東裕篇(4月20日)

第20話「台北の長い夜」~東雪篇(4月25日)

第21話「ロミオとジュリエット」~東雪篇(4月29日)

黑人 生日快樂!(5月2日)

第22話「満月のバースデー」~東雪篇(5月05日)

第23話「unusuallyな夜」~亞綸篇(5月10日)

第24話「unusuallyな恋」~亞綸篇(5月15日)

第25話「壊れたハート」~亞綸篇(5月19日)

第26話「蜜月の縁(エニシ)」~大東篇(5月23日)

第27話「蜜月の香り」~東雪篇(5月30日)

第28話「天使の継承」~亞綸篇(6月4日)

第29話「幸せなキス」~亞綸篇(6月8日)

第30話「最後の審判」~東雪篇(6月14日)

第31話「二人の誓い」~ヒロ篇(6月19日)

『ステップアップ!』連載開始一周年♪(6月23日)

第32話「マザー・コンプレックス」~莉綸篇(6月25日)

第33話「桜色のスキャンダル(前)」~東雪篇(6月30日)

第34話「桜色のスキャンダル(後)」~東雪篇(7月6日)

第35話「ボクたちのハーモニー」~亞綸篇(7月12日)

第36話「ボクたちの不協和音」~亞綸篇(7月18日)

第37話「レッドカーペットの上で」~東綸篇(7月24日)

第38話「莉莉シンドローム」~亞綸篇(7月30日)

第39話「以心伝心」~東雪篇(8月5日)

ウィルバー生日快樂!(8月6日)

ヴァネス生日快樂!(8月7日)

藤岡くん生日快樂!(8月19日)

大東生日快樂!(8月24日)

第40話「エンジェル・ハート」~莉綸篇(9月1日)

禹哲生日快樂!(9月2日)

最終話「桜の樹の下で」~東雪篇(2010年9月6日)

あとがき(9月9日)

ピーター生日快樂!(9月13日)

あとがき2~大東(9月16日)

高以翔生日快樂!(9月23日)

あとがき3~亞綸(9月28日)

あとがき4~呉尊生日快樂!(10月10日)

あとがき5~禹哲(10月29日)

あとがき6~黑人&范范祝訂婚(11月6日)

あとがき7~亦儒生日快樂!(11月10日)

あとがき8~Selina加油!(11月14日)

あとがき9~亞綸生日快樂!(11月20日)

あとがき10~月食(12月21日)

あけおめ&川崎太熱レポ(1月14日)

ギャビー生日快樂!(2月19日)

今さらジェリー・・・SP予告編(2月28日)

*お願い*
 このお話に出てくる、人物名・地名・団体名などは、すべてフィクションです。

 私ミンクロは、相変わらず台湾には行ったことがございません。なるべくリサーチはしていますが、文化、慣習など、熟知しておりませんので、台湾の常識ではありえない状況があるかもしれません。

 台湾アイドル「飛輪海」などをモデルにさせてもらっていますが、このお話の中の彼らの言動、性格、設定、家族構成、人間関係、その他すべてが想像と創造と妄想でできております。

 ファンの方で、もし不快に思われる方がいらっしゃったら、本当にすみません。

 また、思いついたストーリーを勢いだけで書いている為、文章的におかしなところ、稚拙な表現などがあることをお許しください。

 なお、当ブログ内のすべてにおいて、転載を禁止します。

 作品はミンクロことアサギミントに著作権があります。

 

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飛輪海小説スピンオフ『Kiss Me Now !』Ep.Final

              Ep.final Kiss Me Now !

 

ジニー篇

 大東の結婚式の翌日、エディからメールがあった。

“すぐに事務所へ来いよ! クビ撤回になったんだ!”

 どうして急に? 嬉しいってまだ素直には思えないでいる。アタシは訳も分からず事務所へ向かった。

「オレがイベントあちこち行ってて台北を離れてたせいでジニーの謹慎処分に気付かなかったんだ。それで小綜に連絡が遅れてさ」

 エディが嬉しそうに言う。

「まさか兵役中の小綜に連絡したの? アタシの処分のこと!」

 すっごく恥ずかしい・・・・・・。アタシが暴力未遂と担当のアーティストに手を出しただなんてこと!

「それしか方法がなかったんだ。オレだけが直訴したってムリだ。小綜の力がなきゃさ」

「ありがとうエディ・・・・・・本当にありがとう・・・・・・」

「オレより小綜さ。クビ撤回にしないと除隊後は別の事務所と契約するっておどしたからだよ。それに礼なら唐禹哲にも言えよ。あいつがわざわざ昨日の夜オレのいる台中まで車飛ばして頼みに来たんだからな」

「禹哲が!?」

「ああ・・・・・・。でも正直ショックだったよ。・・・・・・まさか、ジニーと禹哲がそんな関係になってたなんてさ・・・・・・」

 エディが何かつぶやいたみたいだけど、耳に入らない。だって禹哲がアタシの為にわざわざそんなこと? 結婚式のあとに? ふと乾杯のときに禹哲がシャンパンを飲まなかったことを思い出す。お姉さんの結婚式なのに「今日は飲まない」と言った意味が初めてわかった。

 責任感じてだよね? でも禹哲にそんな義理堅いところがあったなんて・・・・・・。担当になって半年ちょっとだけど、最近は仕事での信頼関係は築けてきてたからかもしれない・・・・・・。それ以上でもそれ以下でもない、きっと・・・・・・。

 アタシが禹哲の担当に戻れるわけではないけど、正式に解雇は撤回された。アタシは年明け1月にデビューする新人女性アーティストの付き人に降格処分となった。それでも全然かまわない。アタシはこの世界が心底好きなのだから。

 多分、禹哲と顔を合わせることはほとんどなくなると思う。

 今日、禹哲はどこで仕事なんだろう。そんなことさえ、今のアタシには分からない。だから禹哲がどんな気持ちでいるのかなんて、分かるはずない。

 夜になると高以翔から“無職でヒマならバイトに来てくれ”というメールがあった。月曜の夜なのにずいぶん盛況のようだ。

 駅の階段を昇っていると、ずっと下を向いていることに気がついた。アタシは上がりきったって外に出たときに思い切って夜空を見上げた。

 空は月もなく真っ暗だけど澄み切って見える。そういえば昨日辰亦儒が「今夜は新月だ」と言っていた。どういう意味だったのか、アタシには分からないけど、彼と奥さんである明日香との間で新月は、何か意味のあることなんだと思った。

 それにしても今夜はすごく冷えていて、駅からBaTまでの薄暗い夜道は寒さが身にしみた。首元が寒くてコートの襟を立ててみる。去年買ったネックウォーマーしてくればよかった。鮮やかなオレンジ色が気に入って買ったのに、一度も使う機会がなかったんだった。だって事務所の車移動が多くて、寒い夜道を歩くなんてことなかったから。

 BaTに着いて店内に入ると客はまばらだった。カウンター内でグラスを磨いている翔がアタシに気付くと、カウンター席を勧める仕草をした。そしてスツールに腰掛けると、すぐに温かいココアを出してくれる。

「寒かっただろ。だが思ったより元気そうだなジニー」

「ずいぶん鍛えられたもの、ここの元オーナーに」

「毎晩でもバイトするか?」

「実はね、事務所に戻れるの。だから今晩だけにしとく」

「そうか、よかったな。・・・・・・だが弱ったな。最近ウィルバーが休みがちでね。困った新オーナーだよ」

 翔はあご髭を触りながら苦笑した。

「早速だがジニー。V.I.Pルームを片付けに行ってくれる?」

「うん、任せて!」

 こんな簡単なことでも、誰かの役に立てることが嬉しかった。トレーを持って中二階への階段をかけ上がっていく。V.I.Pルームに入るのは、あの“身代わりキス”のとき以来だ。

 アタシと禹哲の初めてのキスの場所・・・・・・。

 そう思うだけで胸がキュっ締め付けられた。

  バカなアタシ。もういい加減、忘れなきゃ。

 

 ドアを開けると、ソファで脚を投げ出して横になっている男の靴が目に入る。

「しっ失礼しました!」

 思わずドアを閉めたけど、その靴に見覚えがあった。
 禹哲のお気に入りの靴だ。もう一度そっとドアを開けてみた。顔は見えないけど、確かにその靴は禹哲の靴だった。

 何? これどういうこと? 戸口で立ちつくしていると、大きく伸びをしてその男が起き上がった。

「やっと来たな。早く閉めて鍵かけろ」

 紛れもない禹哲だった。アタシは言われるがままに鍵をかけた。

 え? どうして鍵かけるの? 禹哲の威圧的な手招きに仕方なくソファに近づいていく。

「なんで昨日勝手に一人で帰った? 俺は会場に戻ってろと言っただろうが」

 アタシの気持ちなんか全然わかってない禹哲に、突如として怒りが込み上げてくる。

「そんなことアタシの勝手でしょ。どうせ誰かさんのことで頭が一杯でアタシのことほったらかしだったくせに!」

「ヒロのことか? 俺はただヒロに伝えたいことがあっただけだ」

「・・・・・・伝えられたの?」

「ああ・・・・・・」

「内容は聞きたくない! 絶対に! だいたい想像つくし!」

 言葉を遮ってアタシは床に膝をつき、ローテーブルの上のパスタ皿とコーヒーカップをガチャガチャとトレーに載せる。すぐ後ろのソファにいる禹哲の大きなため息が聞こえた。 

「オマエさ、なんか勘違いしてるだろ?」

「確信を持って言ってるんだから! 報われない恋なんてバカみたい! でも別にもう関係ないし! 誰を好きだろうが誰とキスしようが勝手にどうぞ! アタシはもうあなたといっさい関係ないんだから!」

 アタシさっきから何言ってんだろ。まるで元カレとケンカしてるみたいな。

「もういいのか? 他に言いたいことは?」

 禹哲のあきれたような物言いに、次の言葉が浮かばない。

 背を向けていて禹哲の表情は読み取れない。

 あ、そうだ・・・・・・。

「あの・・・・・・ありがと」

「は? なんだよ突然」

「わかってるくせに! 解雇撤回のことよ」

「別にオマエのためにやったわけじゃない。自分のためだ」

「わけ分かんない!」

「オマエにわけ分かんないとこで働かれると迷惑なんだよ!」

「禹哲のほうがわけ分かんない!」

 汚れてもいないテーブルを、おしぼりでひたすらゴシゴシと拭く。

「心配だからに決まってるだろうが! うちの事務所なら、他よりマシだろうが。うるせえお偉方がいてもな。ったくオマエいつまで勘違いしてんだ! 俺が毎日、一分一秒残らず、誰のこと思って息してると思ってんだ!」

 禹哲が一秒残らず思ってるのがアタシであるわけない。禹哲が毎日ずっと思い続けてるのは・・・・・・。

「ヒロさん・・・・・・なんでしょ?」

「いい加減にしろよ! ヒロには昨日“おめでとう”と“幸せになれ”と伝えただけだ。あいつと出会ったのがちょうど一年前のクリスマスだったしな。けじめつけてからでないと次に進めないんだ、俺は!

「次って・・・・・・?」

「オマエのことに決まってるだろうが!」

「嘘・・・・・・」

「ヒロはお見通しだったぞ。早くオマエのところへ行くように言われて会場に戻ったのに、オマエときたら帰ってやがった」

「だってわかるわけないじゃない! いっつも気まぐれなキスばっかりでアタシの気持ちなんかちっとも考えないくせに!」

 思わず振り返って禹哲に詰め寄る。

「じゃあどんなキスすれば伝わるんだ! 伝わらないんならもうしてやらないからな!」

 禹哲の真剣に怒る顔・・・・・・。

 ホントに本気なんだ。

 嘘みたい・・・・・・。

「どのキス? ねえどのキスから本気のキスだったの!?」

「は? どのキスって・・・・・・」

「絶対にヤキモチキスの時じゃないよね! その後のソルティキスだ! そうでしょ!」

「なんだよそのネーミングは! オマエいちいち名前付けてんのかよ!」

「だからどのキスなの!」

 禹哲は少し考えてから、照れかくしなのか面倒くさそうに言う。

「オマエがどんな名前付けてるかは知らないが・・・・・・MV撮影の後、車ん中でケンカになっただろ」

「・・・・・・リアルキス?」

「ああ、多分それ」

 嘘! リアルキスって3回目だ。身代わり、マンゴー、リアルキス・・・・・・。

「それって禹哲が自分で名前付けたって覚えてる?」

「はあ? マジかよ!」

「“俺のリアルキスはあんなもんじゃない・・・・・・”」

 アタシは禹哲の真似をして再現してみせた。禹哲の顔がみるみるうちに真っ赤になっていく。・・・・・・可愛い!

「何ニヤニヤして見てるんだ!」

「あんな頃からだったんだなあって」

「今思えばってことだからな! オマエがお嬢様女優に嫉妬して怒り狂ってるのがさ、俺に火をつけたっていうか、妙に可愛く感じたというか、なんか抑え切れなくてさ・・・・・・」

 アタシ、今きっと真っ赤だ。やけに素直な告白第二弾。リアルキスは失神するかと思うほど甘美だったことを思い出すだけでどうかなりそうだ。

「オマエはどうなんだよ!」

「え? アタシ? ・・・・・・言っとくけど今思えばだからね! わかった?」

「わかったから早く言えよ!」

「えっとねえ・・・・・・それはねえ・・・・・・多分・・・・・・」

「マンゴーキス!」

 二人同時で声が揃ってしまう。

「やっぱりな。しかもそのまんまのネーミングだな」

「なによ、自分だってそれしか思いつかなかったんでしょ!」

「それ以外つけようがないだろ。じゃあ“季妮(ジイニー)のエロキス”とでも命名してやろうか?」

「もうバカ!」

 恥ずかしくて再び背を向けるとすぐに、後ろから禹哲の腕が伸びてくる。そしてギュって音が聞こえそうなくらいに抱きしめられてしまう。

「怒るなよ蘇季妮・・・・・・季妮」

 耳元で禹哲がアタシの本名を正しい発音で甘く囁いた。呼び捨ての響きだけで、アタシもうダメ・・・・・・。

「あのとき、まんまとオマエの術中にはまったんだよな。やけに鄭元暢や彭于晏と仲良さげなのを見せ付けて嫉妬させただろ?」

「そんなつもりないってば」

 あのときから禹哲、嫉妬しちゃってたんだ。嫉妬されることに喜びを感じてしまう。禹哲はアタシの髪を優しく触り始める。

「俺らの初キスはマンゴー味だな」

 嘘みたい! 禹哲って究極のツンデレ男だったんだ。こんな恥ずかしいセリフ、平気で言えちゃうなんて・・・・・・。それにマンゴーキスは禹哲との初キスなんかじゃない。でもそれはアタシの胸の中に閉まっておいた。

 初キスはこの部屋での“身代わりキス”。でもあのときの禹哲の相手はアタシじゃなく、確かにヒロさんだった。だからノーカウント!

「あとで気付いたんだ。オマエがさ、好きでもない相手のキスを受け入れるような女じゃないってことをさ。しかもあんなエロく!」

「もう何度も言わないで! 大キライ!」

「嘘だ。死ぬほど好きなんだろ?」

 禹哲はアタシの頭のてっぺんに熱いキスをした。ズルイこんな反則技。

 さっきから髪を触られるたびに、心地よい魔法にかかっていくみたい。女の扱いに慣れてるって分かっていても、心も体も溶けていってしまいそう・・・・・・。

「ねえ、いつ気付いたの? アタシの気持ち・・・・・・」

「・・・・・・多分ドラマ撮影のときだ」

「どっち? アタシからしたご褒美キス?」

「・・・・・・そっちじゃない。後の方だ」

「ソルティキス? 嘘、恥ずかしい、アタシ涙で顔グチャグチャだった

「どっちもハズいネーミングだな」

 禹哲が笑い出す。もしかしてネーミングを知りたかっただけ? いい雰囲気にしておきながらひどすぎる。後ろから巻きついてる禹哲の腕が、さっきからアタシの唇に触れるたびにキスを連想してしまっていたのに・・・・・・。

「もう! ホントはいつなの! 教えてくれなきゃ・・・・・・」

 アタシは憎たらしくなってその腕に噛み付いた。

「わかった、わかった。教えてやるよ。・・・・・・謹慎中だ。オマエに会えなかった間に気付いたんだ。オマエがどれだけ俺を好きかって・・・・・・同時に俺がどれだけオマエを好きかってことにさ」

 アタシを抱きしめてる禹哲の腕にギュッと力が込められた。耳元でのストレートな告白に涙が出そうになる。

「それにしてもオマエ、マジにどMだな。俺にイビられるのがいいのか?」

 禹哲はアタシの首筋を甘噛みしてから優しく吸い上げた。そのドラキュラキスにゾクっとして思わず声をあげそうになる。でもなんだかじらされてるみたい。

「禹哲こそなんでアタシなんか?」

「オマエのキス顔、案外可愛いからな。苦しげな顔が妙にそそる」

「全然嬉しくない!」

「俺の場合やっぱキステクだろ?」

 禹哲の挑発に、もう限界かも。

「そうよ。だってアタシたちキスから始まったんだもの」

 アタシは体をゆっくりと禹哲のほうにむけながら彼の首にしがみついて言う。

「だから・・・・・・ねえ、キスして・・・・・・」

「ここで、今か? どうなっても知らないからな」

「どうなってもいいから早く! 今すぐキスして!」

 

 それからアタシたちは、数え切れないほどいろんなキスをした。ネーミングは・・・・・・もう全部秘密にしておこう。
 
アタシと禹哲だけの大切なキスなのだから。

                     『Kiss Me Now !』 Fin.

目次と登場人物~Kiss Me Now !
目次と登場人物~ヒロ&アミン篇

目次と登場人物~大東&亞綸篇

目次と登場人物~SP

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飛輪海小説スピンオフ『Kiss Me Now !』Ep.9

              Ep.9 「ドラマティックKISS

ジニー篇

 

 勢いよく飛びこんできたのは莉莉だった。

 莉莉はなんの迷いもなく飾ってあった花瓶の花を抜き取り持ち上げると、その中の水をケンカの渦中に一気に浴びせかけた。そばに立てかけてあった自分のギターに構うことなく! 

 突然のことに誰もが呆然と立ち尽くしている。言葉も出ない。そこで最初に口を開いたのは他でもない、莉莉だった。

「なんか様子がおかしいと思って急いで帰ってきて正解ね! あたしをわざわざコンビニに買出しにやらせておいて、その間になんのケンカよ二人とも!」

 ちゃっかりと寸前によけて水難を逃れた禹哲と、体半分浴びてしまった亞綸は目も合わせず、顔をそむけてどちらも口を開かない。全身びしょ濡れの大東も、莉莉の件は亞綸の意見を尊重しているのか黙っていた。

 亞綸は前髪から雫を滴らせながら、左手に莉莉のびしょ濡れのギターを持ち、右手で莉莉の腕を掴んで言う。

「帰ろう」

「帰らない」

「いいから帰るんだ!」

「いや!」

 そんな押し問答の途中に、また誰かが現れた。

「大東、いるかな?」

 一瞬にしてその場は凍りつく。

 それは何潤東、その人だった。

 大東は慌てて進み出る。

「何監督! 今日は来てもらえるとは思ってなかったから嬉しいですよ」

「大東、本当におめでとう・・・・・・どうしたそんなに濡れて! この部屋で雨でも降ったのか?」

「はは・・・・・・ちょっとした余興があって・・・・・・。今日は最後までゆっくりしていってください」

「実はもう行かないとダメなんだ。少しでもお祝いを言いたくて来てみたんだが、来てよかったよ。さっきちょうど炎亞綸と黄莉莉の歌も聴けたからね」

 そう言って何監督は莉莉に笑顔を向けた。これってすごくまずい展開のような・・・・・・。

「黄莉莉、やっと君に会えたね。まずは感謝するよ。君の曲は本当に素晴らしい」

「いえ・・・・・・監督の映画もステキでした。挿入歌に選んでもらえて、本当に本当に嬉しかったです!」

「それはよかった。・・・・・・それで、ちょっと聞きたいんだが、君のお母さんは・・・・・・」

「わああ!」

 急に亞綸が叫び声をあげた。その拍子に持っていたギターが手から離れたのか、床に激しく転がり落ちた。それまではギターを気にも留めていないようだった莉莉が、我に返ったように濡れたギターを拾い抱えて座り込んだ。

「ママ、ごめんね。大事なギターを・・・・・・ごめんなさい・・・・・・」

 そのとき、ギターの穴の中に何か白いカードのようなものがチラリと見えた。思わず部屋の中に足を踏み入れたけど、アタシは自分でそれを取り出すことをためらった。アタシは莉莉にとってほんの知人にすぎない部外者だ。だからそばにいたヒロさんにそっとカードのことを知らせた。

 ヒロさんはしゃがみこんで、弦の隙間からその白いカードを指ではさんで抜き出した。みんなの目は一斉にそこへ注がれる。禹哲も亞綸も立ち尽くしたまま見下ろしている。だけど当の莉莉だけはまだ気がついていないようだった。

「莉莉、ギターの中に入ってたの。あなたが先に見るべきよね?」

 ヒロさんがそう言って白いカード・・・・・・ううん、それは明らかに写真だった。少し古そうな一枚の写真。ヒロさんはそれを裏向きのまま差し出した。

 莉莉は訳がわからない様子で顔を上げると、写真を手に取りゆっくりと表に向ける。アタシは好奇心からもう一歩部屋の中へ入っていく。その少しピンぼけしたその写真にはきれいな若い女の子が、男の人の首に手をまわしてホッペをくっつけて写っていた。

 その男の人は20代半ばくらいに見える。それに、どこかで見たような面影がある。ううん、どこかどころじゃない。会ったことはまだ一度もないけれど、アタシなんかでもよく知ってる人にそっくりだ。台湾人でこの顔を知らない人なんていない。彼をキライだって人も聞いたことがない・・・・・・。いわゆる国民的スターだ。

 莉莉は動揺しているのか、していないのか、無表情だった。そしてヒロさんは莉莉の様子を見計らいながら聞く。

「莉莉、この若い女の子って莉莉の?」

「そう・・・・・・ママ」

 何監督は歩み寄ってひざまづき、写真を凝視する。

「・・・・・・これは阿蘭だ・・・・・・やっぱりキミは阿蘭の娘なんだね?」

 何監督は感慨深げに言う。だけどそれもつかの間だった。監督は写真の日付部分を読み上げる。

1986年7月・・・・・・まだボクと付き合っていた頃だ。だけどこの月の終わりに彼女は消えたんだ。それでボクはカナダ留学を決意して、秋には台湾を離れたからよく覚えてる」

 何監督は力なく立ち上がり、窓辺まで行くと、月もない真っ暗な空の闇を見上げた。

 誰も何も言えなかった。その写真の二人は、男女の関係が何もないようには見えなかったから。特に、莉莉のママは、多分この人のことを愛してたんだとアタシは思った。

 しゃがみこんでいた莉莉はゆっくり立ち上がり、亞綸の肩におでこをくっつけながら少し低い声で言う。

「あたし、この翌年の4月生まれなの・・・・・・」

「莉莉・・・・・・」

 亞綸は莉莉を抱きしめた。

「霖、あたし大丈夫だから・・・・・・。どんな真実でも受け止める」

 ヒロさんはびしょ濡れになった大東と、まだお色直しの済んでいない櫻雪さんに「さあ、 早く着替えて会場に戻らないと!」と言って部屋から出ていこうとする。多分遠慮したんだろう。でもアタシも部外者であることを思い出し、一緒に出ようとすると、「アナタはここにいてあげて」とヒロさんは囁いてアタシをそっと部屋の中に押し戻しドアを閉めた。

 アタシなんかがいてもいいのか戸惑いながらも、禹哲の少し後ろにそのまま立っていた。でも多分、禹哲はアタシがここにいることに気付いていない。アタシがあげた唯一の叫び声も、ヒロさんの声だと思っているはずだ。

 亞綸と莉莉は中央で抱き合い、窓際で腕と脚を組み、外をみつめている何監督の横顔は切なげだ。

 

 莉莉は亞綸の腕の中で、安心したようにゆっくりと語り出した。

「ママは、このギターをとっても大事にしてたの・・・・・・。いつかこのギター一本で歌手デビューするんだって希望を持ってた。だけどだんだん、食べるので・・・・・・生きるので精一杯毎日が続いたの・・・・・・ママは遅くまで働いて、疲れきってた・・・・・・。作曲なんて、ちっともできなくなって・・・・・・でもね、それでもママは歌うことだけはやめなかったの。時々、この人の歌も歌ってた。ラジオで彼の曲がかかると、耳をくっつけて嬉しそうに聴いてたのを覚えてる、あたし・・・・・・」

 そして一呼吸おいてから莉莉は覚悟を決めたように聞く。

「この人写真の人があたしのパパなのかな? この人は、本当に・・・・・・あの彼なの?」

 誰も答えられない中、今度は禹哲が聞く。

「何監督。あなたは莉莉の母親から何か聞いてたんじゃないですか?」

「ああ・・・・・・。阿蘭は、路上でよく歌ってたんだ。それでレコード会社のプロデューサーを名乗る若い男に声をかけられてから、頻繁に会うようになっていったんだ。その男も、歌手デビューを目指していると阿蘭は言っていた・・・・・・ボクは彼女がその男の話をするのがイヤだったからよく覚えてるんだ」

「蘇季妮(スー・ジーニィ)。オマエ、どうせ芸能界のサクセスストーリーとか詳しいんだろ?」

 禹哲が振り向きもせずにいきなりアタシに振ってくる。心臓が止まるかと思った。アタシがいること、知ってたんだ・・・・・・。ずっとアタシに背中を向けていたのに。

 もちろん芸能界大スキなアタシは知っている。この場で隠しても仕方ないよね。ネットで調べれば誰でもすぐにわかることだもん。

「彼は香港から台湾大学に留学してその後中退。歌手を志しレコード会社で仕事をするうちに、ついに26歳でデビューを果たしたって・・・・・・。多分、彼の今の年齢から計算すると、時期も何監督の話と一致するみたい」

「確か子供は二人いたよな。いつ結婚したんだ?」

「デビュー前の25歳で結婚したはず、レコード会社の同僚のアメリカ人女性と・・・・・・」

 アタシと禹哲のそんな会話を黙って聞いていた何監督がようやく口を開く。

「そのプロデューサーにはアメリカ人のフィアンセがいると、聞きもしないボクに阿蘭は言い訳したこともあった。ボクが彼に嫉妬していることに気付いたんだろうな」

 莉莉も亞綸も黙ったまま聞いていた。それから禹哲は遠慮なくストレートに聞いてくる。

「子供は今、何歳なんだ?」

 莉莉の手前、すごく言いづらい。

「多分、娘さんのほうは莉莉よりちょっと若いくらいだと思う」

 でも愛妻家で家庭円満なイメージの強い彼が、結婚直前まで17歳の少女とそんな関係だったなんて考えられない。

「何監督。顔色が悪いですね。あなたは当時まだ15歳だったとはいえ、莉莉の母親と付き合ってたんですよね?」

「ああ・・・・・・」

「じゃあ単刀直入に聞きます。あなたが莉莉の父親である可能性はあるんですか?」

「やめろ禹哲!」

 亞綸がたまらず声を上げた。

「・・・・・・それより先に教えて欲しい、阿蘭は・・・・・・阿蘭は今どうしているんだ?」

 何監督の表情は切実だ。そういえば彼はいまだ独身のはず。

「ママは・・・・・・母は亡くなりました。あたしが7歳のときです」

 何監督は悲痛な表情を浮べた。

「そうだったのか・・・・・・もう阿蘭には会えないのか・・・・・・」

「それで、どうなんですか? まさか死人に口なしとか?」

「そんなつもりはない! ・・・・・・ただ、今となってはよく覚えてないんだ。ボクは逃げてるわけじゃない。彼女との間に、もちろんそういうことはあったんだ。忘れるわけはないだろ、ボクは本当に彼女を愛していたんだ! でもそれはただ一度だけのことで、それが何月だったのかは、まったく覚えていないんだ」

「そうですか・・・・・・。すみません、引き止めてしまって。仕事の約束があるんですよね? 莉莉、平気か?」

「うん、大丈夫。禹哲、ありがと。何監督も・・・・・・ありがとうございます。母のこと、いつかもっと話してくださいね」

「もちろんだよ。いつでも事務所に訪ねてくるといい」

 そう言って監督は莉莉に名刺を渡し、控え室から出て行こうとした。だが振り返り言う。

「君がボクの娘であったらどんなにいいかと、心から思うよ。きっと自慢の娘だ」

 莉莉は少し力なく笑顔を作って監督の背中を見送っていた。

 何監督が出て行ってしまうと、この控え室には、亞綸と莉莉と禹哲とアタシの四人きりだ。

 亞綸は莉莉をギュッと抱きしめた。

「あたし、パパのことは考えないようにして生きてきたのに・・・・・・いきなり二人も候補が現れるなんて、サンタさんってすごく気前いいのね」

「うん、そうだな」

「でもあたし、これからどうすればいいの? 今頃迷惑な話でしょ? どちらにとっても」

「何潤東の用事ってのは本当はクリスマスデートじゃないのか? まさか仕事じゃないだろう、こんな時間に」

「ああ、先月姉さんに思いっきり失恋して、吹っ切れたとこだろうね」

「阿明に失恋? 何監督が? 霖、どういうこと、意味わかんない」

「莉莉はどっちが理想の父親なんだ?」

 禹哲が余計なことを聞いた。

「・・・・・・わかんない」

 アタシなら・・・・・・迷っちゃうな・・・・・・何潤東は長身でモデルみたいにステキだけど・・・・・・。でもギターの中にわざわざ写真を隠して貼っておくなんて、莉莉の母親はよほどもう一人の彼のこと好きだったにちがいない。もっとこのギターに手がかりは入ってないのかな。アタシはギターの裏に貼ってあるステッカーを何の気なしに触った。あ、少しめくれ上がってる。濡れたせいではがれてきたんだ。アタシはそのめくれたステッカーの下に指が触れ、何かザラッとしてることに気がついた。ゆっくりとめくり上げると、その下には何か英文字が彫られていた。筆記体で・・・・・・W・a・k・・・・・・。めくれた部分はそこまでしか読めない。でもこれは彼の名前の広東語読みに違いなかった。このギターはきっと彼から貰ったものなんだ。莉莉のお母さんは、このギターをどんな思いで弾いていたんだろう。

「父親の名前でも書いてあったのか?」

「え? うん・・・でもまだ莉莉の父親かどうかはわからないでしょ」

 あまりにもビッグネーム過ぎて、誰も彼の名前を口に出来ずにいた。あの禹哲でさえだ。

 もしあの彼が父親なら、大スキャンダルになってしまう。

 亞綸が手を差し出したから、アタシはギターを手渡した。亞綸はギターを裏返し、ステッカーを全部剥がした。莉莉はそっと彫られた文字に触れる。

「このギター、個性的なデザインだろ。いつかボクたちが彼と同じステージに上がれば気付いてもらえるときが来るかもしれない・・・・・・」

「うん」

「それまで、新しいステッカーを貼っておこう」

 莉莉の美声は母親だけじゃなくて、父親ゆずりでもあったのかもしれない。莉莉の透き通っているのに幾重にも重なったような不思議な温かみのある声はきっと二人をミックスした奇跡の声なんだと思った。ギターの音色も、作曲の才能も、きっと父親ゆずりにちがいない。

「あたし、このままパパがわからなくても平気。だって霖パパも李先生も、本当のパパみたいにいつも優しくて娘のように気にかけてくれてるもん」

「うん。そうだったな」

「それに、霖がいてくれる・・・・・・」

「・・・・・・あのさ、二人ともそろそろ遠慮してどっか行ってよ」

「え!?」

 微笑ましい二人の様子に、ついみとれてしまっていたけど亞綸に言われてハッとする。

「ったく勝手なこと言いやがって。おい、行くぞ、鶏女!」

 また“鶏女”に逆もどりだ。でもそう呼ばれてホッとする。禹哲を追いかけるようにアタシは出て行きながらそっと振り返ると、亞綸と莉莉は・・・・・・もうキスをしてる! でもすっごくドラマティック・・・・・・。

 ドラマティックキスを横目に部屋の外に出てドアを閉めると、ちょうど隣の控え室からヒロさんが出てきた。心臓がチクリとした。廊下にはアタシたち3人しかいない。

「莉莉は大丈夫?」

「・・・・・・ああ。そっちは?」

「うん、さっき着替え終わって二人は会場に戻った。それでちょっと片付けてたとこ。東城衛が演奏で場つなぎしてくれてたんだって、助かっちゃった・・・・・・久しぶりね、禹哲」

 ああ、神様。どうしてアタシはこんな場面に居合わせてしまったのでしょう。気まずいどころじゃなく、あらゆる内臓という内臓が、ナイフで切り刻まれるような感覚だ。どう見てもこの二人、過去に何かあったようにしか思えない。

「ちょっといいか? 話がある」

 禹哲は親指を立てて控え室の中を指した。後ろからだから表情は見えない。

「え? でも・・・・・・」

 明らかにアタシを気にしているヒロさん。アタシの顔、そんなに動揺してる?

「オマエは戻ってろよ」

「うん・・・・・・」

 行かないでって言えなかった。言える訳ない。そして二人はそのまま控え室に入っていった。アタシは会場に戻ろうとしたけれど、その向こう隣の控え室に入っていく。そこはアタシがヒロさんにスタイリングしてもらった部屋だ。そこでドレスを急いで脱ぎ、自分の服に着替える。髪は飾りだけはずして鏡の前に置く。あっという間にシンデレラから一般庶民に逆戻りだ。まだ八時にもなってないのに・・・・・・。

 隣の部屋で禹哲とヒロが何をしてるのか、知りたくもなかった。早くここから逃げ出して、禹哲のことを考えなくても済むどこかへ消えてしまいたかった。借りていたドレスをハンガーにかけ、ハイヒールを揃えておき、アタシはすぐ部屋を出て角を曲がったところのエレベーターまで走っていく。

 下から上がってくるエレベーターが、妙に遅く感じた。やっとドアが開き、飛び込むと、中から出てきたキャップをかぶった男の人と思い切りぶつかってしまった。

「すみません! 大丈夫ですか?」

「す、すいません! アタシが悪いんです! 慌ててたから」

「いや、ボクも慌ててたので・・・・・・」

「大丈夫なので行ってください!」

「それじゃあ・・・・・・」

 アタシは焦っていたせいでろくに顔も見ず、彼の後姿を見送った。カジュアルなジーンズ姿に、スーツを入れるガーメントバッグを持ったその後姿には見覚えがあった。

 今の呉尊っ!? このままだと禹哲と鉢合わせちゃう!

「あの!!」

 アタシは考える暇もなく呼び止めた。振り返った彼は、まさしく呉尊だった。

「はい?」

「あ、あの・・・・・・えっと・・・・・・そうだ! アタシさっきヒロさんにドレス借りたんですけど、もう帰らなくちゃいけなくて、でもお礼を言えなくて、だから、その、お礼を伝えてもらえますか?」

「えっと、キミの名前は?」

「え? ア、アタシ、唐禹哲のマネージャーの蘇季妮です」

「蘇季妮さんだね? それじゃあ」

 もっと時間稼がないと!

「あの!! ファンなんです、握手してもらっていいですか?」

「はい」

 呉尊はにっこりと笑ってしっかりと手を握ってくれた。急いでるはずなのに嫌な顔ひとつしない。

「ヒロさんって、本当にステキな人ですね」

「キミもそう思う? ボクもだよ」

 サラッと奥さんを賞賛する呉尊もなんてステキなんだろう。二人は本当にお似合いの夫婦だ。アタシもいつかこんなステキな結婚できるのかな・・・・・・。

 そんなこと呑気に考えてる場合じゃなかった。でももうこれ以上引止められない。呉尊は大東の披露宴の為に駆けつけたんだから・・・・・・。

 アタシは呉尊に別れを告げてエレベーターに乗った。どうか彼が禹哲と鉢合わせませんように! 

 禹哲はヒロさんに何を話したんだろう。話だけで済んだのかな・・・・・・。エレベーターと一緒に急降下していくアタシのテンション。

 職を失い、恋を諦めた今日という日を、アタシは一生忘れない。

 だけどこんなクリスマスの夜に泣いたら負けだ。

 アタシは笑い飛ばして新年を迎えてやるんだから!

          Ep.Final「Kiss Me Now !」へつづく・・・・・・ 

目次と登場人物~Kiss Me Now !
目次と登場人物~ヒロ&アミン篇

目次と登場人物~大東&亞綸篇

目次と登場人物~SP

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亞綸 生日快樂♪

亞綸Happy Birthdaybirthday 26歳ですね~shine

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  25歳の亞綸を振り返ると、それまでとは違う顔をたくさん見せてくれた気がしますshine

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              今年初めのラゾーナ川崎heart01

ギュウギュウ詰めになりながらも、ミンクロは見るのに必死でしたbearing 
イベント参加率が極めて低いミンクロは、亞綸だけこの日が初見で感動heart02
握手のとき、名前を呼んでもらうことにも成功scissors 
あの声、忘れませんconfident

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          ソロアルバム発売。もちろん買いましたよ~wink

現在連載中の『Kiss Me Now !』でも、亞綸の存在は欠かせず登場率多しですnotes

亞綸は不安定で複雑で奥が深いからミンクロ小説には欠かせないのです~

26歳の亞綸もこのままの亞綸でいてほしいような、乗り越えてほしいような、どちらもミンクロの正直な思いです・・・。

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 最後に次男&末っ子の仲良しショットで締めくくり~scissors

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飛輪海小説スピンオフ『Kiss Me Now !』Ep.8

                   Ep.8「投げKISS」

禹哲篇

 なんでアイツを帰らせなかったのか・・・・・・今さら後悔しても遅いか・・・・・・。ただ、今の俺はヒロに思いを伝えることを優先させるべきだ。チャンスは今日しかない。今日こそはっきりとヒロに告げてやる。

 鶏女のヤツ、なかなか戻ってこないな・・・・・・。やっぱり帰ったのか? そのほうが俺としては都合がいい。アイツがいると、なんか調子が狂う。

 それに呉尊もまだ現れないのも、なお好都合だ。だがヒロと二人きりになるチャンスはあまり期待できそうにない。俺はこの会場内で実行するしかないのか? ヒロは姉貴と阿明、莉莉と一緒に写真を撮っている。

「なあ、そんな熱い視線を、誰に送ってるんだ? まさかボクの奥さんじゃないよなあ?」

 突然、そう絡んできたのは、少し酔ってるのか上機嫌な陳奕儒だった。めんどくさい男につかまったな・・・・・・。

「阿明は魅力的だから、さぞ心配でしょうね、陳奕儒」

「だろ? だけど禹哲。残念ながら阿明はボクしか見えてないんだよ!」

 はい、はい。わかってるさ、言われなくても。

「櫻雪は大東だけ、莉莉は亞綸、ヒロは呉尊・・・・・・。残念だったな、あそこの美女たちは一途過ぎて、さすがの唐禹哲でもおとせないだろうなあ」

 なんだよ、酔ったふりしてヒロのことを釘刺しに来たのか? っていうか姉貴は関係ないだろうが!

「そうだそうだ! 俺の奥さんも、おまえなんかには見向きもしないぞ!」

 今度は陳建州か。なんでもう泥酔してるんだ・・・・・・。

「ごめんなさいね、禹哲。黑人ったら、櫻雪さんが幸せになれるからって嬉しくて呑むピッチ早過ぎちゃって」

 嬉しさ半分、寂しさ半分ってわけか。

「俺の奥さん! 愛してるよ~!」

 陳建州が范瑋琪にキスをした。さすがにあの巨体を拒むことが出来ないことをわかっているのか、范瑋琪はおとなしくキスに応えていた。キスが終わると范瑋琪は「ごめんなさいね」と詫びてから陳建州を引っぱって席へ戻っていった。

 気がつくと陳奕儒は阿明と子供のところへ戻っていた。莉莉の姿は消えていて、姉貴は大東の母親と一緒だった。どうやらヒロの姿をまた見失ったようだ。

 次の瞬間、照明が暗くなったかと思うと、一箇所にライトが当たる。そこにはグランドピアノとイスが一つ用意されていた。マイクはピアノとイスの横に一つずつセッティングされている。亞綸と莉莉が歌うことは聞いていた。 

 司会の脩が、紹介すると亞綸と、ギターを抱えた莉莉が現れ、それぞれのイスに腰掛けた。

 亞綸はピアノに設置されたマイクに向かい、話し出す。

「呉庚霖です。そして黄莉莉」

 莉莉がぺこりと頭を下げる。

「ボクの三番目の兄と櫻雪を、歌で祝福させてください・・・・・・」

 亞綸はソロアルバムから続けて3曲歌い、くやしいが客たちは二人のハーモニーに聴き入っていた。姉貴なんかは泣きそうだ。だが、誰もが期待しているであろう、あの曲をまだ歌っていない。最後までもったいつける気だな。

「最後に・・・・・・この曲を選びました。それではもう一人・・・・・・」

 東城衛の戒がスタンドマイクをセンターに置く。

「もう一人・・・・・・唐禹哲!」

 俺!? 聞いてないぞ!!

 拍手の嵐と声援に自然と立ち上がってしまう。職業病か・・・・・・ったく! 俺が姉貴の披露宴をぶち壊しに出来ないことをわかってて、亞綸のやつめ! 

 俺がスタンドマイクの前に立つとすぐに亞綸が前奏を弾き始める。

 ・・・・・・やっぱりこの曲か・・・・・・ったくなんで俺がこいつらのヒット曲を歌わなきゃならないんだ。それにこいつら、俺が歌詞を知らなかったらどうする気だ?

ジニー篇

 会場に戻ると、禹哲が歌っていた。でも禹哲の歌じゃない。これは亞綸と莉莉の『百万回言っても足りないくらい愛してる』だ。

 最後まで全部歌えるの? 歌詞カードもないのに・・・・・・分かってればカンペを作っておいたのに・・・・・・やだ、アタシったら、まだマネージャー気分が抜け切れてない・・・・・・。

 でもそんな心配をよそに、禹哲はまるで自分の持ち歌のように感情を込めて、だけど適度にクールに歌い上げている。妹同然の莉莉の初ヒット曲だから、きっと嬉しくて何度も何度も聴いたに違いない。ホントにいいお兄ちゃんなんだなって思った。その後ろでギターを弾きながら、安心した表情で莉莉は歌っている。

 いいな、莉莉は・・・・・・。頼りになるお兄ちゃんと魅力的な彼氏に守られてて・・・・・・。

 一瞬、歌に集中してた禹哲の表情が変わった気がした。動揺してるみたい。もしかしてヒロさん? あたりを見渡し、よく目を凝らすと、入り口付近にヒロさんが立っているのが見えた。隣には誰か背の高い男の人がいる。呉尊が来たの? ううん、あれは呉尊じゃない。・・・・・・もしかして何潤東? 映画監督の? 

 あ、ピアノ、タッチミスした。亞綸まで様子がおかしくなってる。どうしちゃったんだろう・・・・・・。

 よかった、なんとか持ち直したみたい。

 三人の声が重なると、また全然違う味わいがある。禹哲が二人のハーモニーの邪魔になったらどうしようって、本当はちょっと心配してた。あれだけヒットしてみんなの耳になじんでる曲に、禹哲の声が加わっても、違和感があるんじゃないかって・・・・・・。でも三人は自然とバランスをとって歌ってるんだ。これを聴けたことは幸せなことだ。出席してよかったって心から思えた。

 歌い終わると、禹哲は「大東、二人を幸せにしろよ」とちょっとキザなこと言ってから観客に投げキッスをした。会場中の女性客が甲高い悲鳴をあげる。一瞬、禹哲と目が合った気がしたけど、それは多分たまたまで、その投げキッスは単なるステージパフォーマンスにすぎない。そう思いたかった。でも本当はそれがヒロさんに向けてのものだと認めたくなかっただけ。

 櫻雪さんはポロポロと涙をこぼしていて、偉偉がティッシュでその涙を拭いてあげている。アタシまでもらい泣きしちゃう。

 三人は席に戻らず、そのまま会場を出て行った。そして新郎新婦はお色直しで退席する。もちろんスタイリストのヒロさんもだ。

 アタシは知り合いが誰もいない状況になった。頼みの綱のギャビーは忙しく各テーブルをまわって撮影しているし・・・・・・。帰ろうかな・・・・・・。でもそれも失礼だし・・・・・・。

「楽しんでる? えっと、ジニーだったかな? 唐禹哲のマネージャーの」

 嘘っ! 見上げるとそこには微笑みを浮べた辰亦儒が立っていた。 

「はい、蘇季妮(スー・ジーニイ)です! 飛輪海のCDも本も全部持ってます! 明日香の本は全部読みました!」

 アタシったら舞い上がってこんな場所でバカみたいなこと言ってる。だって大東の婚約披露パーティーでは一度も話す機会がなかったから。ずっと亞綸ファンだったけど、やっぱり他のメンバーでも目の前にするとテンションが上がってしまう。

 アタシが一人でいたから気にかけてくれたのかな。優しいんだ・・・・・・イメージ通り。

「それは嬉しいな。どうもありがとう。妻も喜ぶよ。今頑張ってるから」

「じゃあ新作の予定があるんですね!」

「うん、今日も親友の大東の披露宴なのに早く帰って書きたくて仕方ないってさ。インスピレーションが冴えててアイデアがどんどん溢れてくるらしいよ。今夜は新月だってのに」

 “新月”? どういうことだろ。そう言えば明日香の小説には“新月”とか“満月”とか、よく月の描写が出てくる。

「ケルビン! ちょっと来てちょうだ~い!」

「ごめん、マーキーに呼ばれちゃったよ。話せて楽しかったよ。それじゃあ」

「あ、はい。こちらこそ楽しかったです」

 辰亦儒のスラッとした後姿を見送る。もしかしてあの人が香港人スタイリストのマーキー? 独特な感性で最近話題になってる人気スタイリストだ。最近ヒロさんに続いてフリーになったんだっけ。

 今日の彼? 彼女? どっちでもいいけど、今日のマーキーの服装、噂どおりかなりユニークだ。  

 

 アタシはまた一人ぼっちでかなり居心地が悪く、身の置き所がなくなった。とりあえず行きたくもないトイレへ向かってる。

 あれ、どっちだろ? たしか着替えた控え室のそばにあったはず・・・・・・。

 廊下を進んでいくとドアが少し開いている控え室がある。そこを通り過ぎるとき、中から禹哲の声が聞こえた気がした。アタシは立ち止まってのぞいてみる。

「何潤東は来ないはずじゃなかったのか!」

「ボクに文句言っても仕方ないだろ!」

「仕方ないだあ? どうするか決めたのか!?」

「・・・・・・それは・・・・・・まだだけどさ・・・・・・」

「何潤東が莉莉に母親のことを確認しに来たらどうする! そこでいきなり親子だとわかったとき、何潤東の反応が最悪だったら莉莉は傷つくんだぞ!」

「じゃあ、先に莉莉に伝えればいいのか! 何監督が確認に来るかどうかもわかんないのに!?」

 なんなの、この会話・・・・・・。たしか莉莉は父親の名前さえも知らないって言ってたはず。でも二人はまるで何監督が父親だという前提で話してる。

「よく聞けよ炎亞綸! 真実を受け止める強さを、今の莉莉は持ってるだろ? 後はおまえが支えればいいことだろうが!」

「バカ言うなよ! せっかく、やっとここまでぜん息の症状も落ち着いたのに、また逆戻りだよ! ボクはこのまま莉莉は知らないほうがいいと思うんだ! 何監督と接触させなければいいだけだ!」

「莉莉はおまえの物じゃないぞ! 一人の人間として真実を知る権利があるだろうが!」

 禹哲はものすごい剣幕で亞綸の腕を掴んだ。亞綸はそれを振り払う。

「うるさい! 莉莉が死んだらどうすんだよ! ボクは発作が怖いんだ! もうあんな思いするのはイヤなんだ!! 禹哲は莉莉が死んだって困らないから言えるんだ!!」

「おまえ!!」

 禹哲は亞綸の襟を掴みあげる。すごい剣幕だ。どうしよう、止めないと! そのときだった。アタシを押しのけて誰かが控え室へと飛び込んでいった。そして二人の間に入って力ずくで引き離した。

「いい加減にしろ!! おまえら隣の控え室までまる聞こえだぞ!!」 

 それは大東だった。誰かがアタシの肩にそっと手を置いた。振り返るとそれはヒロさんで、「大丈夫よ」という顔で頷いた。後ろに立っている櫻雪さんは泣いている。

「どけよ大東! 俺はこいつを殴ると決めたんだからな!」

「いいよ! 殴りたければ殴れよ! そのかわり莉莉に黙ってろよ!」

「うるさい!」

 禹哲が大東の制止を振り切って再び亞綸に殴りかかる。

「やめてえ!!!」

 アタシのこの叫び声よりも先に、また誰かが部屋へと飛びこんでいった。

 

 それはまるでスローモーションのように見えた。

           Ep.9「ドラマティックKISS」へつづく・・・・・・

目次と登場人物~Kiss Me Now !
目次と登場人物~ヒロ&アミン篇

目次と登場人物~大東&亞綸篇

目次と登場人物~SP

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亦儒 生日快樂♪

今日はミンクロの大本命亦儒のお誕生日ですbirthday

threeone歳になられましたねpresent 

Birthday

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風が左側から吹いてるみたいなヘアスタイルもすっかり定着し、この先どんなふうに進化していくのかshine

伸ばしちゃう? それとも維持? また大業ヘアー? 楽しみですnote

O0440058311235514442             バンクーバーで撮影時の髪形、すごく好きでしたheart01

グレーを知的でキレイに着こなす亦儒、とってもステキですねlovely

以前にも書きましたが、ミンクロは亦儒のサンシャインスマイルよりもポーカーフェイスの方が好きなのですhappy02

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        上の三枚よりももっと無表情なのが好みですconfident

68b17729jw1dgxs6y3xm2j_2        伏し目がちも大好き♪ 長い指も好き♪ 二の腕のラインも好き♪

待ちに待った日本公式ファンクラブも本日プレオープン♪
その名も“CALVIN SMILE CLUB”shine
でもなぜかAZIOさんで使われてるのはミンクロ好みのポーカーフェイス画像。↓

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また後日正式なスマイリーな亦儒に差し替えるのでしょうか?

30歳の一年は、呉尊のことやおじいちゃんのご不幸もあって、心を痛めたであろう亦儒think

31歳はどうかハッピーな一年になりますようにnote 

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飛輪海小説スピンオフ『Kiss Me Now !』Ep.7

                             Ep. KISS LESS

ジニー篇

 謹慎八日目。今日の会議でアタシの最終処分が決まった。

 解雇。

 キスの件と、よそのマネージャー暴行未遂の責任で。その相手事務所側も多少の非があったことを認め、解雇までは求めていないとのことだったけど、キスの件はアタシの非だ。元々アタシが唐禹哲に対して毅然とした態度をとれなかったことが招いたのだから。

 夕方、荷物を取りに行くと、他のスタッフからの憐れみや好奇の目にさらされた。

「元気でね」

「あなたも」

 そんなやりとりを幾度も重ね、事務所を出ようとしたときだった。

「おい」

 たった一週間しか聞いていないだけなのに、とても懐かしく感じる声に呼び止められた。

 振り返ると、相変わらずアタシには無愛想な顔しか見せない禹哲がタキシード姿で立っていた。ステキ・・・・・・。今日はクリスマス。お姉さんと大東の結婚式の日だ。クビになったばかりのこんなときでも胸が高鳴るほどステキに見える。でもアタシはなんでもない風を装って答える。

「何か用?」

「オマエの最後の仕事だ。俺を結婚式の会場まで送れ」

 腕を引っぱられながら外で待っていたタクシーに無理矢理乗せられる。そのくせ、車内では何も話しかけない禹哲。アタシたちはただ、それぞれ窓の外を眺めていた。胸がいっぱいで言葉なんて何も浮かばない。

 左腕のケガはすっかりよくなったからか、前のように禹哲はアタシの右側にいる。アタシを守ってくれてるって思うだけで充分幸せだ。

 禹哲が何か言いかけた気がした。だけどそんなときに限って禹哲の携帯が鳴った。

「俺・・・・・・今そっちに向かってるところだ・・・・・・ちゃんと間に合うからさ。・・・・・・ああ、うん。・・・・・・じゃあ、あとで」

 お姉さんからの電話かな? それとも? ・・・・・・今日の招待客を、アタシは知っていた。婚約披露パーティーのときに名簿を見せてもらったから。その中に、桐村裕恵という名前も入っていた。あの人気スタイリストHIROの本名だ。もちろん旦那様の呉尊も、揃ってブルネイから出席する。だから禹哲のテンションが下がって当然だ。

 禹哲は再び黙ってしまった。

 

 会場までは気まずくて長いようで、あっという間だった。また禹哲が何か言いかけた気がしたけど、アタシにタクシーチケットを無造作に手渡すと「じゃあな」と言ってタクシーを降りたから、アタシも「じゃあね」とだけ言った。これがアタシたちの最後の会話になるんだと覚悟した。タクシーが出発しても、アタシはバックミラーで禹哲の姿を目で追っていた。

 姿が見えなくなったところで、禹哲が携帯を忘れていることに気がついた。

「すみません、アタシもここで降ります」

 アタシはタクシーチケットを渡してタクシーを降り、急いで禹哲の後を追った。そしてどんな巡り会わせなんだろう。ホテルのエントランスに入ってすぐ、目の前にHIROが現れた。HIROの画像を検索して何度も見たことがあったから、すぐに彼女だとわかった。

「あの・・・・・・HIROさんですよね? この携帯、唐禹哲の忘れ物なんですけど、渡していただけますか?」

「え? ええ、わかりました。あの、アナタのお名前は?」

 アタシ、こんな声なのかな? だったらステキな声よね。ちょっと嬉しくなる。

「ヒロ! 呉尊の飛行機出発が遅れたってホント? あれ? ジニー?  遅かったじゃない待ってたんだから」

 待ってた? アタシは早くこの場を去りたいのに、運悪く莉莉が現れた。

「莉莉、紹介してもらえる?」

「あ、そっか。ヒロはジニーと会うの初めてだよね。ジニーは禹哲のマネージャーなの」

 莉莉はHIROにそう紹介してくれた。まだアタシの解雇を知らないようだ。

「あの、アタシこれで帰ります」

「え? どうして? ジニーも出席してくれるって櫻雪から聞いてるよ」

「アタシ、櫻雪さんの社交辞令だとばかり思って・・・・・・それにこんな格好じゃ・・・・・・」

 アタシはチェックのシャツにデニム姿で、とても華やかな芸能人の披露宴に出席できるような服装じゃない。

「そんなことなら心配ないわ。さあこっちに来て!」

 

 アタシはあれから無理矢理二人に連れてこられ、今、控え室にいる。

「やだヒロ! このドレス、ジニーにすごく似合ってる! 髪形もステキ!」

「そうでしょ? きっと似合うんじゃないかって思ったのよ! 私いつも二着用意してくるの。よかったわ役に立って」

「あの、アタシやっぱり出席なんてできない! 禹哲に叱られちゃうから!」

「禹哲にそんなことさせないから大丈夫よ。ねえ莉莉!」

「そうそう、あたしとヒロがいれば、禹哲なんて全然怖くないってば」

 ノックが聞こえて誰かが入ってくる。それは亞綸だった。

「莉莉! こんなとこにいたのか! ・・・・・・あれ? ジニー?」

 亞綸がマジマジとみつめてくるから恥ずかしくなる。

「ジニーすごく似合ってるよ。じゃあまた後で! 莉莉、リハやるから行くぞ!」

「は~い」

 莉莉はさっさと出て行ってしまった。嘘! HIROと二人っきり!?

「楽しみよね、ジニー。禹哲と二人が一緒に歌うなんて、最初で最後になるかも」

 え? 禹哲も歌うの? アタシは何も聞いてない・・・・・・。でも当たり前だ。もうアタシはマネージャーじゃないんだから・・・・・・。

「あ、これって禹哲に内緒なんだった。サプライズで歌わせるって莉莉たち、すごく張り切ってたから」

 なんだ、そうだったんだ。ホッとするアタシがいる。でもアタシが知らない禹哲を、この人は知ってるんだと思うと、やっぱりへこむ。

「ほらジニー、ちゃんと鏡を見て。このドレス、アナタが着るためにデザインされたみたいに似合ってるわよ」

 まるでアタシを励ますようにHIROは褒めてくれる。落ち込んでるの、もしかして気付いてる?

 ヒロさん・・・・・・なんてステキな人・・・・・・。禹哲が忘れられなくて当然だ。

 

 ヒロさんに連れられてアタシは会場に入る。彼女は隣のテーブルで、アタシのテーブルには禹哲と莉莉、亞綸の席札が置かれていた。まだ誰も席にいない。少しホッとする。 

「ジニー!」

 名前を呼ばれて振り返るとフラッシュがたかれる。誰?

「ギャビー! 台北に戻ってたの?」

 そこにはカメラマンのギャビーがいた。最近、小綜のお気に入りのカメラマンで、その関係で禹哲の写真も担当してもらっていた。ここしばらくはアジア中を駆け巡ってたらしいけど。

「どうしてここに? え? 結婚式の仕事もしてるの?」

「まさか。特別な友人に頼まれた時だけだ。今、まとも以上の仕事が出来てるのは、汪東城のおかげだからな」

「そうだったんだ・・・・・・」

「どうした? 今日は浮かない顔だな。せっかくのドレスが泣くぞ」

 ギャビーが私に向けてもう一枚シャッターを押すと、ちょうどBGMが変わる。前にはいつの間にか大東が立っていた。どうやら新婦入場みたいだ。ギャビーは入り口にファインダーを向ける。

 禹哲はどこへ行ったんだろう・・・・・・。

 扉が開くと、輝くばかりに美しい櫻雪さんが現れた。そして、新婦をエスコートしているのは・・・・・・え? 禹哲? 禹哲だ・・・・・・。普通は父親の役目のはずだ。

「ギリギリセーフ!」

 亞綸と現れた莉莉が隣の席に座った。

「ねえ莉莉。禹哲のお父さんは?」

「え? ジニー知らなかったの? 禹哲と櫻雪の両親は随分前に事故で亡くなったの」

 言葉が出ない。全然知らなかった。アタシは禹哲の過去を、ほとんど知らない。

 普段あまり笑顔を見せない禹哲が、笑顔でお辞儀をする。櫻雪さんと腕を組みながら、ゆっくりと客席の間を歩いていく。櫻雪さんの長いケープの両端を握ってついてくる男の子と女の子を、時折振りかえって気づかいながら。

「ふふ、偉偉(ウェイウェイ)と裕惠(ユーフイ)、可愛い」

「莉莉。あの子供たちは?」

「偉偉は櫻雪の子で、裕惠は阿明と亦儒の娘なの」

 櫻雪さん子供がいたんだ!  

「バツ一なの?」 

「櫻雪は禹哲の学費のために結婚したの。両親が亡くなったあと、櫻雪はお父さんの親友に引き取られたけど、禹哲は施設。その親友はお金持ちで、そこの息子は櫻雪に夢中だったらしいの。櫻雪は自分と弟の境遇の違いを嘆いて、それで好きでもない人と結婚してまで禹哲のためになりたかったみたい。あたしね、施設で禹哲に妹みたい守られながら育ったの。この前までママに捨てられたと思い込んで生きてきたんだけど、最近、亞綸のおかげでママはあたしを捨てたんじゃないってことがわかったの。そうやって禹哲と亞綸が支えてくれてるから、今のあたしがあるの」

 

 禹哲と莉莉、そして櫻雪の意外な真実。ううん、意外じゃなく、納得の真実だ。初め莉莉のことを、禹哲の片思いの相手なんだって勘違いしてたことを思い出す。それほどの二人の親密さの理由が、今初めて明らかになった。禹哲はお姉さんを守れなかった分、莉莉を守ってきたんだってこと、今のアタシには分かりすぎるくらいに分かる。亡くなったお父さんとの約束を、禹哲はしっかり守ってきたんだ。

「莉莉聞いていい? あなたのお母さんやお父さんは?」

「・・・・・・ママはあたしが小さい頃に亡くなってたの。でもその時ママの死を知ることができなくて・・・・・・だからあたしは捨てられたと思ってしまったの。パパは・・・・・・会ったこともなければ、どこの誰かも知らないんだあ」

 明るく話す莉莉にアタシの胸は締め付けられる。アタシの両親は元気なのに、親不孝なアタシは旧正月にしか帰ってあげてない。

 そうこうしているうちに、だんだんと禹哲たちが近づいてくる。どうか今はまだ気付かれませんように! 

「櫻雪! こっち向いて!」

 ああっ! 莉莉が呼ぶ声で禹哲もこっちを見た。思わず顔をそむけ、後からこっそり禹哲の反応を伺うと、どうやら気付いていない様子でホッとする。いずれバレることなんだけど・・・・・・。

 禹哲から大東へと櫻雪さんは手渡され、禹哲は大東の耳元で何かを囁いてから、席に着くためにこちらへ歩いてくる。きっと嫌味の一つ二つ、大東に言ったんだろうけど、アタシは今それどころじゃなく、言い訳も思いつかないでいる。

 禹哲は莉莉に一声かけると、まるでアタシが見えないかのように通り過ぎ、隣に座った。完全無視ってこと? それとも気がつかなかっただけ? 胸がチクリと痛んだ。

 式は人前式で、高校時代からの友達の東城衛のメンバーが司会と式の進行をしている。なんてお似合いな二人! 誓いの言葉を櫻雪さんの息子さん・・・・・・偉偉だっけ? その偉偉が誓いの言葉を堂々と読み上げてる。櫻雪さん泣いてる・・・・・・。いろいろあったんだろうな。きっと・・・・・・。あ、大東も泣きそうになってる。けっこう涙もろいんだ。アタシも泣いちゃいそう・・・・・・。

 偉偉が指輪の入ったケースを差し出すと、二人は指輪の交換をした。それからやっぱりキスでしょ? 

 キス・・・・・・。もう一生キスできないかも、アタシ・・・・・・。だってもう一生恋なんて出来そうにない気分だから。勇気を出して横目で禹哲の顔を盗み見る。こんな近くで生の顔を見るのは、もうこれで最後になるかもしれないと思ったから。

 明日からの禹哲は遠い世界の人で、アタシはただの一般人になる。

 禹哲はどこかをじっとみつめていた。その視線の先が、大東と櫻雪さんじゃないことはすぐにわかった。確認するのも怖かったけど、アタシは確認しずにはいられなかった。

 禹哲の切なげな横顔。胸がズキン、ズキンと何度も痛くなる。禹哲の熱い視線の先には、きっとあの人がいるはずだ。

 あの人・・・・・・HIRO、ヒロさん・・・・・・。

 禹哲の視線の先には、やっぱりヒロさんがいた。二人を祝福し、優しい微笑みをたたえたヒロさんの姿は、女のアタシでもみとれるくらいだ。禹哲の周りって、すごくきれいな人ばかり。アタシなんか振り向いてもらえるわけがないって、身にしみた。

 我慢していた涙がポロリとこぼれ落ちる。

 でもよかった・・・・・・。涙に気付かれても、結婚式に感動してるって思われるだけだから。

 アタシは新郎新婦へと視線を移す。彼らの横には、いつの間にか辰亦儒が立っていた。手にはシャンパングラス。そして周りの人たちにつられるようにしてアタシも立ち上がった。急いでナプキンで涙を拭いていると、辰亦儒が何かお祝いの言葉を述べて、「乾杯!」と言う。アタシは慌てて持っていたナプキンを置いてグラスに手を延ばすと、勢いでうっかり倒してしまった。それも禹哲の方へ! アタシはこの失態に声も出ない。

「大丈夫?」

 禹哲は倒れたグラスを立てて、「俺は飲まないから」と言って自分のグラスをアタシに渡すと、すぐにウェイターを呼んでくれた。禹哲は、うつむいているアタシに気付いていないんだと思った。なんだか情けなくなる。たった半年とはいえ、ほとんど毎日一緒にいたのに気付いてもらえないなんて。キスだってしたのに・・・・・・だんだん悔しくなってきた。

「・・・・・・大丈夫じゃないです」

 アタシはうつむいたまま思わずそう答えていた。

「オマエ、なんで・・・・・・」

 さすがに声で気付いたみたい。アタシは顔を上げて一気にシャンパンを飲み干してから禹哲を睨みつけた。

 禹哲は、アタシが今まで見た中で一番驚いた顔をしていた。あんまりその顔がびっくりしてるから、思わず吹き出してしまったくらいだ。

「わ、笑い事じゃないだろ!」

「だって、禹哲の顔、面白すぎるんだもん!」

「なんでここに!」

「あ、そうそう忘れてた! はい、これ!」

 アタシはバッグから禹哲の携帯を取り出してテーブルに置いた。

「俺の? あ、タクシーか・・・・・・」

 落としたことにも気付いてなかったみたい。そんなにも誰かさんのことばかり考えてたんだ・・・・・・。

「なんだ、そのドレス」

「ああ、これ? ステキでしょ? HIROが・・・・・・ヒロさんが貸してくれたの」

 禹哲は絶句してしまう。なんか面白くなってきちゃった。アタシとHIROが親しくなったなんて、禹哲的には冷や汗ものだろうから。別にアタシはヘンなこと告げ口したりなんかしないけど。

「それに、アタシ櫻雪さんから招待受けてたのよね。禹哲も知ってたんでしょ?」

「え? いや・・・・・・それは・・・・・・」

 禹哲をシドロモドロにさせられるなんて、なんだか気分がいい。

「アタシが出席するとそんなにも迷惑?」

「ジニー、やる~! 禹哲なんかやっつけちゃえ!」

 隣の莉莉が加勢してくれるから、心強い。どうやら式が終わって、披露宴までしばらく歓談の時間のようだった。新郎新婦と写真を撮ってる人もいる。

「いいな~アタシも一緒に撮りたい! ギャビーに撮ってもらっちゃお!」

「鶏女、ちょっと来い!」

 アタシは仕方なく禹哲の背中を追って会場を出る。そして人目のつかない場所まで来ると、禹哲は振り返る。

「ねえ、似合う? 誰だかわからないほど見違えたでしょ? 全部ヒロさんのおかげだけど。やっぱりトップスタイリストってすごいよねえ! 美人だし! あの呉尊を射止めたのも当然だよね」

 アタシ、禹哲を煽ってる。ちょっと酔いがまわってきてるとはいえ、こんなこと言ったら禹哲にもっと嫌われるの、わかってるのに・・・・・・。

「旦那様は遅れてくるみたいだけど、二人が並んだらすご~くお似合いなんだろうな~! 絶対に誰も割り込めないって感じ! 早く見てみたいな~!

 一気に考えもなしにしゃべり続け、ついにアタシは言葉が浮かばなくなり黙って禹哲の顔色を伺った。

「それだけ言ったら気が済んだか?」

 禹哲は顔色ひとつ変えず冷ややかだ。

「・・・・・・ごめん、アタシ、やっぱり帰る」

「別に・・・・・・」

「え?」

「別に帰れとは言ってない。姉貴が望んだことだ。俺がとやかく言うことじゃない。先に戻るから、落ち着いたら席に戻れよ」

 禹哲が背を向ける。ねえ、どっちが本心なの? どうすればあなたの本心がわかるの? アタシじゃヒロさんの代わりにはなれない? アタシ、身代わりだって構わない・・・・・・だから禹哲・・・・・・いつもみたいにキスして! そう心の中で叫んでいた。

 気付くとアタシは禹哲の背中に抱きついていた。禹哲はしばらくそのままでいたけど、キスもしなければ振り向いてもくれなかった。アタシの心の叫びは届かない。

 そしてアタシがゆっくりと体を離すと、禹哲は何も言わずに会場へと戻って行った。

               Ep.8「投げKISS」へつづく・・・・・・

目次と登場人物~Kiss Me Now !
目次と登場人物~ヒロ&アミン篇

目次と登場人物~大東&亞綸篇

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